CAFIS対抗のクレジット決済網構築へ
通産外郭団体が新通信手順を開発
(2000/04/18)

 通産省の外郭団体である流通システム開発センターは,TCP/IPのソケット通信に対応した新しいクレジットカード決済用プロトコル「ORM」(open realtime monitor)を開発した。

 早ければ10月には,同センターが推進するIP-VPNサービス「OBN」(open business network)上で,ORMを使ったクレジット決済ネットワークを稼働させる。NTTデータが提供しているクレジット向けサービスの「CAFIS」(credit and finance information system)に対抗するサービスとなる見込みである。

 ORMの開発には,ダイエー,マイカル,ファミリーマート,ジェーシービー,マイクロソフト,富士通,NTTコミュニケーションズなどが参加した。現在,これらの企業が中心となり,ORMを使用するクレジット決済システムを開発中。2000年5月にベータ版をリリースし,2000年10月にはOBN上で決済システムを稼働させる予定。カード会社として,ビザ・インターナショナルが参加する可能性もあるという。

 小売店でクレジットカードによる支払いを受け付けるには,カードの不正使用記録や利用限度額などをカード会社に問い合わせる「オーソリゼーション」を実行しなければならない。このため,CAFISなどの専用ネットワークに接続する必要があるが,「低速で料金が高いCAFISが流通業界で大きな問題となっていた」(流通システム開発センター)。

 CAFISは,インターネットなどのTCP/IPネットワークが普及する以前からあるサービスで,通信速度が最大でも9600ビット/秒。加えて,オーソリ・データの転送1件につき3.5円の手数料がかかる。OBNでは,最低でも64kビット/秒の接続サービスが利用でき,オーソリ・データの転送そのものには課金しない方針。流通システム開発センターによれば,「これでクレジットカード決済にかかる小売店のコストを大幅に削減できる」という。
(安井 晴海)