【速報NetWorld+Interop 2000 Las Vegas】
インテル,負荷分散装置に新機種追加
XMLのデータ属性を識別し処理を分散
(2000/05/09)

 米インテルは5月8日,米国ラスベガスで開かれているNetWorld+Interop 2000(N+I)で,EDI(electronic data interchange,電子データ交換)向けの新しい負荷分散装置「NetStructure 7210 XML Accelerator」,「同7280 XML Director」を発表した。名前の通り,XML(extensible markup language)のデータ属性を判断して,データを高速かつ安全に処理する装置である。7月から全世界で発売する予定だが,日本での発売はまだ未定。価格はまだ決まっていない。

 インテルの新製品は,XMLを使って記述したデータをデータ属性に応じて分類し,ビジネス・ロジックごとにサーバーを使い分けたり,顧客の注文内容をチェックして適切な要素がそろっているかを判断するといった機能を実現できる。同社が2000年1月に日本国内で発売したSSL(secure sockets layer)の暗号処理を高速化する専用装置「NetStructureシリーズ」(旧IPivotの製品)に,XMLのタグによるデータの分類機能を加えたものである。

 XMLは,文書情報などの言語仕様を定義するための言語。タグを拡張することで,異なるシステム間のデータ交換などに利用できる。これまで,流通業や金融など各種業界の専用ネットワークでは,製品の受発注や決済などを,極めて複雑なEDI専用の書式を用いて実現していた。Webの標準言語仕様であるHTML(hypertext markup language)を使ったEDIも始まっているが,HTMLでは複雑で大規模なEDIには機能不足だった。XMLは豊富な機能を持つ一方で,EDIで使われていた複雑な書式を数個のタグで肩代わりするなど,シンプルで使い易い性質を兼ね備える。このため,近未来のEDIではXMLが主流になると見られている。

 また,負荷分散装置は,単なるプロトコル種類によるスイッチング装置から,Webサーバーやコンテンツを識別するURL(universal resource locator)など,データのより高いレイヤーの属性でデータを処理する装置に“進化”してきている。一方,現実の商取引では,顧客の詳細な属性や受注内容などに応じて,対応する部署が複雑に変わることがある。インテルの新製品では,XMLでデータを分類,スイッチングする点で,こうした商取引のリアリティの実現も可能になる。

 N+Iに先立つ5月5日には,米シスコ・システムズが負荷分散装置で知られる米アローポイント・コミュニケーションズの買収を発表するなど,本格化する電子商取引(EC:electronic commerce)のネットワーク環境整備をめぐって,通信機器メーカー大手がしのぎを削り始めた。
(野沢 哲生:米ラスベガス発)